映像制作 株式会社モーニング

DIRECTOR DIRECTOR

CMにこだわり15秒を巧みに操る集団

モーニングとはどんな会社ですか

社員数は・・・・16名です、ね。笑

モーニングはCMに特化した、北海道で数少ない純然たるCMプロダクションなんです。クライアントのニーズ・予算・スケジュール・その他諸々の要素を勘案して、最適なCMを制作・納品することができる会社です。

映像制作の内訳は、テレビCMが9割、残りの1割が店頭用VPといって、いわゆる「ながもの」と言われるものです。その他、WEBムービーなど映像コンテンツであれば基本的にはなんでも制作します。


モーニングで行っていない仕事は、テレビ番組の制作等があげられますね。北海道・札幌のプロダクションでは、テレビ番組を制作している会社がテレビCMも制作することが多いんですが、モーニングは純粋なCM制作会社になります。

モーニングとテレビ番組やCMを制作する他の会社とはどのような違いがあるのでしょうか

車に例えるなら、「車種が違う」って感じなんだけど、他になんて言うとうまく伝わるかなー。

僕たちは、同じ映像というカテゴリーなんですが、15秒・30秒のCMと時間の長いテレビ番組とでは、全く別のものなんだと感じているんですよ。だから、言い換えるなら、CMのためのCMを作る事ができるんです。
CMだけを制作する場合、そもそも撮影の時間がCMの為だけにあるので、一つ一つの物事に対してこだわり抜く事ができるんです。そうやって短い時間に心血を注ぎながら、15秒や30秒の中で「最も効果的なもの」はなんであるのかとか、「どうしたらまとめる事ができるのか」という部分をとても大切にしています。

心血が注がれたCMの元となるのがコンテなんですね

コンテというのは、いわゆる設計図のようなもので、テレビCMの元となる企画の全てが詰まっています。テレビCMというのは、コンテから出来上がっていると言っても過言ではないんです。

本来最初に作るコンテはとてもラフなものでよくてプレゼンテーションの際には、そのラフなコンテを基にプロのコンテライターの方にきっちり描いてもらうのが一般的でした。

それが近年、モーニングでは僕らがプロのコンテライターの代わりに描く事が増えていて、企画を考えている時間よりもコンテの絵を描いている時間の方が長いという事もあるんですよ。


確かに、一昔前はプロの方がいて分業していたものが、最近では自分たちでコンテを作り上げる事が増えているかも知れませんね。
コンテには企画段階に作るコンテと、撮影の前に作る演出のコンテの2種類があるんです。最近は、最初から最後まで自分でコンテを作る事が増えているので、細部まで書き込んでいる企画段階のコンテから演出コンテに移行する時、そこに何を付け足したらいいのか解らなくなる事がありますね。
冗談で演出のできるコンテライターなんていわれるんですが、なんだかんだ言って描いてるときは面白いんですよね。

面白いからこそなんだろうけど、たまにそこで燃え尽きてしまうこともあるよね。撮影するためのコンテなのに、コンテが完成したら自分の中で完結してしまって、誰か他の人に撮ってほしいな〜なんて思ったりします。笑

モーニングでのキャリア

モーニングに入社したら、まずどんな仕事からはじまりますか

ADとかプロダクションマネージャーなんて呼ばれますが、まずは制作進行に関する一切を行う「なんでも屋」のようなポジションになりますね。飲み物・お弁当の手配、スタジオやロケ場所等の選定・確保、各種連絡事項など、撮影にまつわるすべての物理的段取りを担当します。こういうなんでもこなすポジションは日本特有のもので、担当がより細分化されている海外では、存在しないポジションなんだそうです。

さらに、スケジュールや実行予算の管理を経て、モーニングでは簡単な仕事であれば一年目から任されることがあります。それを三年ほどこなすと、おおよそどんな仕事でも一人でこなせるようになって、多くの人はその頃に自分の身の振り方を考えますね。その先も続けた場合は、業界でよく言われるプロデューサーになるのかディレクター(演出家)になるのかを選択をすることになります。

プロデューサーかディレクターかのどちらを選ぶかで、その先は変わってくるものですか

同じ制作のセクションなんですが、プロデューサーとディレクターのどちらを選択するかによって仕事の内容も変わってくるので、業界の中では大きな分岐点になります。

しっかりしていて、頭の回転が早く、無駄を省くタイプの人間はプロデューサー向きだと言われていて、一見すると時間やお金にルーズで一般の社会性がないように見えるが、なんか面白いと言われるようなタイプの人間はディレクター向きと言われています。

自分の場合は制作に向いていないと言われて、早い段階から演出(ディレクター)にまわされましたよ。笑


そういう人はたくさんいますよね。僕の知人は、本当に仕事のできない制作スタッフで、クライアントからもクレームが沢山来ていたんです。でも、演出(ディレクター)になった途端、同じクライアントからも絶賛されるようになったそうです。またその反対も然りですし、ごく稀に制作をしても演出をしても両方すごいなんていう人もいますよね。

そう考えると、日本の制作というのは特殊なんですが、確立された重要な仕事で、プロデューサーかディレクターかを選んでいるときは自分の行く末を考える過渡期なんだと思います。海外では40・50歳になるまで、ずっと制作をしているプロの人もいるしね。


純然たるCMプロダクションであるということ、それはCMのことだけを考え、その数秒に心血を注ぐというこだわりを持つ集団であるということ。そんなこだわりが培われる風土こそ、モーニングの魅力なのではないでしょうか。
工藤哲央

工藤哲央 TETSUO KUDOH

企画・演出

1964年9月27日 日曜日 旭川生まれ。
その朝は、水たまりに氷が張っていた。
父は元HBCの技術屋。
テレビ業界の空気の中、札幌で育った。専門学校で、デザインを学ぶも進んだ路は、やっぱりTVCMの制作会社モーニング。出来ない制作を経て、素晴しい企画演出になり、現在にいたる。

桜田威寿

桜田威寿 TAKEHISA SAKURADA

企画・演出

1973年9月11日生まれ。函館出身。 バリバリの公務員家系に育つ。
朝日プロモーション(現ADKアーツ)を経て、制作進行としてモーニング入社。
その後、企画・演出部へ。
「割と運勢は良い方だ」と思って生きています。